「或る夜の出来事」「オペラハット」「我が家の楽園」などヒューマン・ドラマの巨匠、フランク・キャプラ監督の傑作です。加えて、僕が最も好きで、何度も観ているクリスマス映画です。
まわりの人から愛されているのにもかかわらず、それに気がつかない銀行家。クリスマスの日に、大金を失くして人生に絶望する彼。 そんな彼のもとに神様から送られる天使は、彼がもし、存在しなかったら、この世の中はどうなるかを見せていきます。
ラスト・シーンには何度観ても泣かされます。 それにしても、今でも日本タイトルは 「素晴らしき哉、人生!」。この「哉(かな)」って今の時代、どうなんだろう。 公開時のタイトルをリバイバルでどんどん変えていくのは どうかとも思うけれど(『007/危機一髪』→『ドクター・ノオ』みたいに) もう少し新しさがあれば、若い人もどんどん観てくれるのに。でも、今なら「イッツ・ワンダフル・ライフ」って そのまま横文字タイトルになってしまうのでしょうか。
94年に「34丁目の奇跡」としてリメイクされていますが、 今回はオリジナルの1947年バージョンのほうです。
NYのデパート、メイシーズのクリスマス・パレードに やって来た老人。 行列のサンタが酒に酔っていることを知り、上司に告げると その老人がサンタとして雇われることに。 その後、「自分は本当のサンタだ」という彼が 妄想狂だと叩かれ、裁判へと展開していきます。
この映画、「カサブランカ」や「史上最大の作戦」なんかと共に カラーライズ版(オリジナルはモノクロ)が出ていて、 僕は観ていないんだけど、どうなんでしょう。 基本的にはオリジナルの雰囲気を壊してしまう カラーライズには反対なんだけど。 ちなみに「ウエスト・サイド」のナタリー・ウッドが 少女役で出演しているのが見ものです。
ビング・クロスビーの最大のヒット曲でもあり、アメリカで最も売れたレコードと言われています。内容は、かなりベタ。でも楽しいクリスマス・ミュージカル映画。
第二次大戦を舞台に、人気歌手と戦友、そして知り合った二人の姉妹が 雪が降らないため、経営が悪化しているホテルを救うため、 その山荘でショウを計画する、という単純明快なものです。
世界一売れたっていうビング・クロスビーが歌う 同名のクリスマス・ソングもいいんだけれど、 ジャズ歌手ローズマリー・クルーニー
ジョージ・クルーニーの叔母!)の歌声が聴けるのは至福の歓びです。
この映画は、ある意味では「ゲイ的要素」も含まれる作品として いつかは取り上げようと思っていましたが、 いかんせん、クリスマス映画というカテゴリーはなかなか少なくて・・・(来年以降、を思うと、まずこれを入れておかなければ、ということで最初のクリスマス・シーズンにアップしました。)
映画は、1942年、ジャワ島にある日本軍捕虜収容所。 朝鮮人軍属が、オランダの兵士を犯した、という事件を 英国軍人と、日本の軍曹のハラ(北野武)が処理にあたります。 一方、原の上官の大尉ヨノイ(坂本龍一)は、反抗的な 英国軍少佐に悩まされながらも、彼に魅せられていきます。 あらゆる出来事の中で、それぞれが、想像もしなかったような「クリスマスプレゼント」を 受け取ることになります。
「ラスト・エンペラー」と共に、世界のサカモト、と 名を残した映画音楽としてのほうが、今は有名かも。 たけしのラスト・シーンのアップは素晴らしいけれど、 このポスターの北野武は、別人のようで可笑しい(笑)。 ちなみに今回は、アメリカ版ポスターを使用しました。
公開時よりも、その後、どんどんファンを 増やしていったアニメ・ミュージカルがこれです。一応、この映画も「ポーラー・エクスプレス」同様、 3Dバージョンも作られていますが、 元々、そういう作りにはなっていないため、 (要は、画面から飛び出てくるような構図が少ない) 効果としてはどうかと思うけれど、 オリジナル作品は非常に楽しい作品で、 何度も繰り返して観ている一本です。
恐怖がそこここに漂う「ハロウィン・タウン」 そこに住むジャックは、森で偶然扉のついた木を見つけ、 その中に自分の街とは真逆の、明るく暖かい 「クリスマス・タウン」を知ります。 ジャックに心を奪われるサリーの不安をよそに、 ジャックや住人は、自分たちの想像の「クリスマス」を作っていきます。
これが「クリスマス映画」かどうか。 ポスターを見ると、カボチャだらけ。 そういう意味では、「ハロウィン・ムービー」かも。 まあ、いっか。タイトルに「クリスマス」が付いてるから(笑)ティム・バートンが作るキャラクターたちの妙や、 色とりどりのストップモーション・アニメの 職人技は一見に値します。しかし、監督はバートンではなく、ヘンリー・セリック。
名作を数々生み出しているロン・ハワード監督作品ということで 非常に期待したけれど、正直言って、なんじゃこりゃ映画になっています。 ただし、ツリーに見立てたグリンチの手と、 赤いオーナメントが素敵なデザインだと、今回のポスターに選びました。
クリスマスで浮かれる街で、クリスマスが大嫌いで 人々に恐れられる嫌われ者のグリンチ。 しかし、ふとした事で助けてしまった少女のせいで、 彼は「ミスター・クリスマス」に推薦され、 街へと現れることになります。
「トゥルーマン・ショウ」なんかを見ると ジム・キャリーもなかなかいい役者だと思うけれど こういう映画を観ると、もう鼻について、鼻について・・・。 アカデミー賞をとった特殊メイクも何だかなあ・・・。でも、アメリカじゃ、クリスマスにはかかせない一本らしいです。
トム・ハンクス製作で、「バック・トゥ・ザ・フューチャー」の ロバート・ゼメキスが作ったアニメーション映画です。
「サンタなど本当はいないのでは」と不信感を持つ少年。 深夜になり、彼の家の前に突然登場した巨大機関車。 彼は夢を乗せたこの機関車に揺られ、 「サンタクロースの真実」を知ることになります。
実はこれ、3Dバージョンも公開されていたにもかかわらず、 国内では本当に少ない上映館数だったので、 ほとんどの人が観ていないのが残念。 DVDでは当然のことながら、通常バージョンでしか 観ることが出来ないけれど、個人的には 毎年アメリカでは、クリスマス・シーズンにこの3Dバージョンを公開するらしく、日本でも、と切に願うばかり。 上記のビング・クロスビーの「ホワイト・クリスマス」をはじめ エアロ・スミスのスティーブン・タイラーのエルフなど、ミュージカル仕立てになっているのが泣かせてくれます。
今回の映画の中では、最も新しい作品。 「人はいかに幸せなクリスマスを迎えることが出来るか」 そんなテーマを持ちながら、ハッピーエンドに向って 綴る幾つものドラマがひとつ、ひとつ素敵です。
秘書に恋をした英国首相、義理の息子との関係に悩む父親、 ポルトガル人のメイドと恋に落ちる小説家、夫の浮気に悩む熟年の主婦、 親友の恋人を好きになってしまった画家、 新曲のクリスマス・ソングに起死回生を賭ける元ロックスター。 彼らがクリスマスに、人生最大のクライマックスを迎えます。
もともと、群像劇は好きでロバート・アルトマン監督作品をはじめ、 それ以外でも「パルプ・フィクション」「マグノリア」などに ゾクゾクしてしまいますが、この映画もそんな一本。 邦画「大停電の夜に」を観た時に、同じような題材でも 何故にこれほど違うんだろうか、と愕然とした思いでした。 それにしても、この真っ赤なリボンで結ばれたポスター、いいなあ。