クラシック音楽とアニメーションの融合。世界初のステレオ効果を利用した映画として注目を浴びた一本でもあり、指揮者レオポルド・ストコフスキー自身が出演し、タクトを振っているのも有名です。
「トッカータとフーガ」「くるみ割り人形」「魔法使いの弟子」「春の祭典」「田園交響曲」「時の踊り」「禿山の一夜」「アヴェ・マリア」の8曲に各々、抽象的、またはストーリーが組み込まれたアニメーションが付けられたオムニバス作品となっています。中でも有名なのは、ミッキー・マウスが箒を操る「魔法使いの弟子」。これは、後に「ファンタジア2000」でも、デジタルリマスターで蘇らせています。
小学生の時に、映画館で観て、心から衝撃を受けた一本です。どのシークエンスをとっても、素晴らしいけれど僕は特に「田園」と「くるみ割り人形」が好きでした。これが、今から70年も前に作られたのかと思うと本当にびっくりです。続編の「ファンタジア2000」も、もちろん素晴らしい!!
ハンガリーのザルテンの童話の映画化。手塚治虫が80回以上観た、という初期ディズニーの作品の中で「白雪姫」と並ぶ傑作と呼ばれている作品です。
森の大鹿の大王の息子として生まれた小鹿のバンビ。ウサギ、スカンク、そして牝鹿のファリンとも仲良くなり、成長を続ける途中、母は人間に連れ去られる。ファリンをめぐる牡鹿との決闘、森火事などを経て彼が森の王位をとるまでを描いていきます。
足がおぼつかずに、氷の上を滑る小鹿時代のバンビの姿や、もの凄く細かく観察したであろう動物の生態が見事に美しく再現されているのには、本当に驚かされます。と同時に、森の中の春夏秋冬の描写は今見ても素晴らしい。
ロンドンを舞台にした、ジェームス・バリ原作の永遠の子供をテーマにした冒険活劇のアニメ化。また、この映画のキャラクター、ティンカー・ベルはその後、ディズニーの有名なキャラクターの一人となりました。
ダーリング家のウェンディ、ジョン、マイケル3人の子供たちは、自分の影を探しにうちに入って来たピーター・パンに連れられて、 ずっと子供でいられる、と言うネヴァーランドへ、一緒に飛び立ちます。そこで、ピーターは海賊の船長フックと一騎打ちの闘いに挑みます。
人形の「ピノキオ」を除けば、初期のディズニー・アニメでは唯一の少年を主人公にしたモノで(このあとは、63年の『王様の剣』)子供心にも、このピーターにドキドキしたのを、よく覚えています。幼稚園の時のサンタクロースからのクリスマス・プレゼントがこの「ピーター・パン」の絵本でした(笑)。
シャルル・ペローの童話を元に、チャイコフスキーのバレエ音楽を脚色した「白雪姫」「シンデレラ」に続くディズニー3人目のプリンセス・ストーリーです。
オーロラ姫の誕生に沸くある王室。そこに現れた魔女マレフィセントに、彼女は16歳の誕生日に糸車に指を刺して死ぬと呪いをかけられます。オーロラ姫は、魔女から隠れるため、森の奥で妖精たち3人に育てられますが、やはり呪いは実行されます。眠れる森の魔法を解くために、フィリップ王子は魔女に立ち向かいます。
三人の妖精の描き分けられかた、王子のマントや帽子をまとった動物たちとオーロラ姫のダンスなど、見応えあるシーンの連続。僕が最も好きなディズニー・アニメです。
パメラ・トラバースの7作のメアリー・ポピンズシリーズの1作目「風にのってきたメアリー・ポピンズ」の映画化。当時は珍しかったアニメと実写の合成は大成功しています。
度重なるイタズラで、何度も家庭教師を辞めさせたバンクス家の二人の子供、ジェーンとマイケル。彼らが「優しくて親切な」と書いた紙切れを読んで、風にのってやって来るメリー・ポピンズ。一見、気位が高い彼女の魅力に、子供たちのみならず、気難しい銀行家の父親さえ、どんどん惹きつけられていきます。
ディズニー作品としてだけではなく、ミュージカル映画としても大好きだという声が高いこの作品ですが、その大きな理由は、ジュリー・アンドリュース主演だということでしょう。大ヒットした「チム・チム・チェリー」ほか、「2ペンスを鳩に」「スーパーカリフラジリスティック〜」など、名曲も盛りだくさん。公開時、早く劇場に連れていってくれと両親にせがんだのが忘れられません。
ミルンが書いた児童文学「クマのプーさん」のアニメ映画化。実際には、「プーさんとはちみつ」(66年)という短編で公開された1作目に「プーさんと大あらし」(68年)「プーさんとディガー」(74年)を加えて77年に長編として公開されたのがこの作品です。
壷の中にはちみつがないことを知ったプーが、あらゆる手段ではちみちを手に入れようとして失敗し続け、友人ラビットのうちでお腹いっぱいになって、穴から出られなくなる1話。風の日に「おめでとう」と言ってまわるプーですが、そのうちに大嵐になってしまう一日を描いた第2話。明るさが取り得の虎のティガーは、ラビットの畑を荒らし、彼を大人しくさせるために、悩むプーたちを描いた第3話。
ディズニーが映画化する前から、この童話の大ファンだったので、多くのキャラクターたちに思い入れも多い一作でした。また、それまでのディズニー・アニメとは、線が変化していて、それが当時はとっても新しく感じたものです。
古いフランスの民話を18世紀のボーモン夫人によって書き直された物語を、ディズニーがアニメ化。久しぶりの大ヒットだけでなく、ディズニー・アニメ唯一のアカデミー賞作品賞ノミネート作品となりました。
発明家の娘ベルは、行方不明になった父を探しに辿り着いた古めかしいお城。ベルは、そこで獰猛な野獣と出会います。彼は、過去に、ある老女の呪いによって変身させられた王子でした。
この作品、我らがジャン・コクトーの映画化は有名ですが、僕は幼少時、「ベルとまもの」というタイトルで童話を読んだ記憶があって、ものすごく懐かしく感じたものです。「リトル・マーメイド」「アラジン」の三部作は、個人的には、どれも甲乙つけがたい作品で、全体の構成力から、今回はこれを選ばさせてもらいました。
正統派ディズニーとしては珍しく、全編ディズニー・アニメのパロディという手法を使って、高い評価と大ヒットを記録した作品です。 アカデミー賞の常連でもあるエイミー・アダムスはこの作品で、ゴールデン・グローブ賞にもノミネートされました。
アニメーションの世界に生きるジゼル姫とエドワード王子。婚約をするやいなや、残酷な魔女の呪いで、ジゼルは、現代のNYに送り込まれてしまいます。弁護士モーガンとその娘に助けられるジゼルですが、アニメの世界に生きる彼女は、なかなか現代には馴染めなません。そしてエドワード王子は、彼女を追ってNYにやって来ます。
この映画の楽しさは、見ながらにして、どれだけ過去のディズニー作品を思い起こすことが出来るかです。僕が知る限り、「白雪姫」「シンデレラ」「わんわん物語」など。オープニング、スタンダードサイズで始まるアニメーションがワイド画面の実写に変化する部分から、ドキドキは始まります。